彼らの持っている能力を
引き出してあげたい。
のびのびと大きく育つ、とちぎ和牛

生産者インタビュー

みなさんにおいしい和牛を食べてもらいたいと言う想いから、約100頭いる牛と日々向き合いお世話をする。栃木県栃木市で和牛を育てている、山ノ井亮司さんにお話を伺いました。

栃木県栃木市 | JAグループ栃木和牛販促委員会 会長
山ノ井亮司(やまのいたかし)さん

取り扱い商品:とちぎ和牛

オリンピックに向けて準備をしてたけど

今年は東京オリンピック・パラリンピックの需要があることを見越して、育てていたんです。出荷するまでに2年は費やし、仔牛が高騰していた時期に積極的に買い入れて、肥育(肉の量を増やし、肉質を良くする育て方)させてたんですけどね。オリンピックの開催延期と外出自粛が響いて、肉の相場が下がっています。栃木県は昨年の台風被害もあったから、追い討ちをかけられた感じなんです。
肥育用の牛を育てる農家は、仔牛を買い入れて育てていかないと生活をしていけないんです。いったん途切れてしまうと育てて出荷する流れが回っていかなくなる。でも相場に大きく左右されるから、需要と供給のバランスの問題が畜産は大きいなと思います。

肉の相場は少しだけ持ち直してきたものの、牛たちの環境づくりに必要不可欠なおがくずや粗飼料がコロナの影響で不足しているのも辛いです。牛は食べて横になってなんぼですからね。その牛にとって心地良い環境を作ってあげるのに、敷料(牛の寝床に敷くもの)が必要なんですが、住宅建材から発生するおがくずの物流が滞っているからセーブして敷かなきゃいけない。特に分娩する牛や仔牛がいるところは、飲み食いが多くて床が汚れやすいし、小さな子は季節に関係なくお腹を冷やすといけないから。なるべくきれいにして育てています。

飼料にこだわり、大切に育てて

とちぎ和牛の特徴は、他の産地よりも飼育期間が長め。だから肉の旨みがぎゅっと凝縮されています。あと、とちぎ和牛の指定生産者は、肥育後期(導入して10カ月ぐらい)に飼料米を使うことが条件になっているのですが、そのおかげで牛本来が持っている肉や脂の旨みが増すんですよね。
良い肉質の牛にするために、いろいろ考えてはいるけど、自分の思った通りに育てるのは難しい。いかに牛の持っている能力を引き出してあげられるかを考えながら育てていますね。ストレートに結果を出す牛もいれば、なんぼ手をかけてもなかなか伸びない牛もいる。

アスリートを育成する感覚に似ているかもしれません。脂のノリをよくするために、わざと厳しくしてみたこともあったけど、やっぱりのびのび育てた方が、健康的な牛になりますね。
思ったように育たなかったり、事故にあったりして辛いこともたくさんあるけど、自分の理想の肉牛になってくれたときはよかったなって思います。育てるには時間がかかるし、農家はなかなか評価されることがないからこそ、「立派な牛でしたね」と良い評価をいただけたらがんばれますね。

山ノ井さんが好きなとちぎ和牛の食べ方

私は部位によって、ステーキみたいに焼いて食べたり、焼肉用に小さくカットしたりして食べています。肉本来の旨みを味わうなら、塩こしょうがおすすめですね。焼肉ならたれもおいしいです。今の時期なら、さっぱりと食べられるわさび醤油やポン酢をつけても、おいしく食べられますよ。

懸命に牛と向き合う、山ノ井さん

家畜商をしていた親父の代から、この場所でホルスタインの肥育をしたのが始まりなんです。私は高校卒業してから農業大学で牛の勉強をして。幼いときは「長男だからおまえが跡継ぎだからな」と言われて、嫌だなと思ったことはあったけれど、やる以上自分ができることを精一杯やろうと思って。それで就農をきっかけに、ある程度頭数を増やして、繁殖もはじめました。

最初は跡をついでホルスタインの肥育をしていたけど、そこから交雑牛にシフトし、今は和牛の肥育をしています。

みなさまへメッセージ

厳しい状況が続きますが、生産者は良いものを作れるようにがんばっています。栃木県の肉牛飼用頭数は全国7位、関東では1位を誇ります。とちぎ和牛は、他の産地に負けないぐらい良い肉が良く、市場への流通量が多いので手にとってもらいやすいのかなと思っています。だから、とちぎ和牛をどんどん食べて応援していただき、元気をつけてもらえるとうれしいです。

生産者情報

商品名:とちぎ和牛
生産地:栃木県栃木市西方町元654
生産者:JAグループ栃木和牛販促委員会
会長 山ノ井亮司(やまのいたかし)