子どもたちが食べられるものを作りたい。
安心安全で、おいしいジビエ

生産者インタビュー

農家の方に相談され、使命感が湧いてジビエを取り扱うことを決意。大分でジビエを食肉加工・販売をしている山末成司さんにお話を伺いました。

大分県宇佐市 | 宇佐ジビエファクトリー
山末成司(やますえせいじ)さん

取り扱い商品:ジビエ、安心院ソーセージ

学校給食は土壇場でキャンセルに

私たちは、飲食店やホテル、学校給食など新型コロナウイルスで1番影響を受けているところに卸していたので、かなり影響がありました。特に学校給食は土壇場でキャンセルになってしまって。通常、前月に1ヶ月分のメニューをいただき、料理に合わせて肉を細切れや短冊切りにカットして準備しているんです。一度、用途に合わせて肉を加工してしまうと、他の使い方ができず商品価値がなくなるため、非常にやるせなかったです。

このような状況ですが、幸いにも、私たちは工場を持っているので、業務用販売や卸しだけではなくて、一般の方にも販売してみようと思い立ち、ネット通販などを始めることにしました。今では少しずつ注文が増えてきて、とてもありがたいです。

どの命も無駄にしたくない

私たちが作る商品は鮮度が良いこと、安心安全で無添加、どのような素材を入れているのか説明できるものを作ることにこだわっています。ジビエソーセージは木の実と塩しか入れていないんですけど、とてもおいしいですよ。僕は、子どもがめちゃめちゃ大好きなんです。子どもたちには「安心して食べられておいしいよ」と胸を張れるようなものを作り続けていきたいと思っています。

実は昔、私はジビエが苦手だったんです。初めて食べたものがとんでもなく臭くて…。これをおいしいと思う人は味覚がおかしいと思っていました(笑)。でも、あるとき食べさせていただいたジビエがとてもおいしくて。この違いはなにか、理由を調べたら2つあることに気がつきました。1つはオスが持っているホルモンが原因で臭くなること。繁殖期は特に臭みが出ます。もう1つは加齢。歳をとるほど肉に臭みが出ます。つまりメスや若いジビエなら臭みもなく、とてもおいしいんですよね。

猟師も食肉処理施設の人も分かってはいるものの、無駄にしたくないという考えから、そのまま売ってしまうことが多い。でも、それを食べた人は二度と食べてくれないですよね。ジビエを広めたいのならやってはいけないんです。けれど、大切な命なので粗末にしたくなくて…。近くの動物公園の先生に相談したところ、鹿肉は栄養価が高いから、動物たちに与えたいと言ってくださいました。どの命も無駄にしないことが僕の願いであり、使命だと思っています。

山末さんおすすめのジビエの食べ方

ジビエって本当にすごいんです!特に、鹿肉はスーパーフードに近く、天然の木の実や山の新芽、穀物を食べているため、栄養価が素晴らしいんです。トップアスリートで身体作りのために食べている人もいますし、低アレルゲンでもあるので子どもにもおすすめです。

初めてジビエに挑戦される方は、ソーセージが食べやすいです。フライパンに油を引かずに焼くだけ。焼いても、ボイルしても、これからの季節は鍋に入れてもおいしいですよ。私の子どもたちも大好きで、よく食べています。

すごい使命感が湧いて、
なんとかしてあげたいなと。

私の親は建設業を営んでいたのですが、夏休みに旅行もできず手伝わされていたせいで、その仕事が嫌いになって。それでも卒業後は建設業に就いたのですが、仕事へ行くのが嫌で、雨が降らないかなといつも思っていました(笑)。後に家業を継ぎましたが、この先も働き続けることを考えたら嫌になってしまったんです。自分の本当にやりたいことを考えたときに、食べることが大好きだから飲食店をやりたいと思い、焼肉屋を始めました。当時、焼肉は高級なものだったのですが、みんなに良い物を安心価格で食べてもらいたくて経営をしていたら、時代にうまくマッチして売り上げが伸びていきました。次に無添加の加工肉を提供したいと思ったんですが非常に高くて。だったら、自分たちで作ろうと思い食肉加工を始めました。

あるとき、農家のおばあちゃんが「最近ジビエって聞くけど、あんたのところはそれができるのか?」って聞いてきたんです。理由を聞くと、ジビエに農作物を食い荒らされてしまい、猟友会に捕獲を頼んだそう。けれど、猟師は役所に届けるのに必要な尻尾だけとっていき、残りはその場に捨ててしまうんです。動物が腐敗していく状況が見るのが辛く、農業を辞めようかと思っていると。それを聞いたときに、すごい使命感が湧いてきて、なんとかしてあげたいなと。それから研究を重ねてジビエを始めました。このまま突き進んで、おいしいジビエならここのもの、と思っていただけるように頑張っていきます。

みなさまへメッセージ

ジビエは農作物や木の新芽を食べてしまうため害獣と言われており、このまま数が増えていくと自然破壊へと繋がりかねません。食べることで自然保護はもちろん、命のありがたみや大切さを感じる食育にもなります。しっかりと選別し、適切な処理をしたジビエは安心安全で本当においしいので、ぜひ食べて応援いただきたいです。きっとジビエに対する評価も変わると思います。

生産者情報

商品名:安心院ソーセージ
生産地:大分県宇佐市
生産者:山末成司(やますえせいじ)さん