「さらにおいしく」を諦めない。
研究を重ねて生まれた
「伊勢まだい」の魅力

生産者インタビュー

幼少の頃より食べていた養殖のまだいを、自身の代でエサや環境を改善してクオリティをアップ。1年を通して安定しておいしい「伊勢まだい」を生産する、西村宗伯さんにお話を伺いました。

三重県度会郡大紀町錦 | 三重県海水養魚協議会・伊勢まだい生産者部会
部会長 西村宗伯(にしむらむねのり)さん

取り扱い商品:伊勢まだい

今年はコロナ禍に
高水温のダブルパンチ

普段私たちは、仕入れた稚魚を1年半の時間をかけて大事に育てています。そして、正月やお盆の繁忙期を除くと、月におよそ2~3万尾、年間で約40万尾の伊勢まだいを出荷しています。でも、新型コロナウイルスの影響を受け、4~5月にかけては飲食を伴うお店は完全にストップ。外出自粛の影響は、活魚を中心とした外食産業等にも広がり、全体的な売り上げは例年の半数にまで落ち込みました。

今までの災害の場合だと、津波や台風のような目に見えるものがほとんど。復興に向けて普段の日常に戻り、生産体制が整えばマーケットで売ることができました。しかし、コロナ禍においては、目の前にたくさんの魚が元気よく泳いでいるのに、それらをいつ売れるのかわからない。けれど生き物を扱っているのでエサ代はかかる。相当不安な状況に追い込まれています。さらに今年は、5〜10年に1度くらいと言われている酷暑になり、魚には負担となる高水温が続きました。まだいは養殖魚として飼いやすい方ですが、普段では起こらない病気が発生して処分することもありました。

養殖魚特有の脂分と臭みを除き、
旨味成分を引き出す

数十年前は、なるべくコストをかけないように安いエサを与えるなど、重量や形がしっかりしていれば味は二の次にしているのが当たり前でした。捌いた翌日に食べてみると脂がしつこく臭みもあり、天然まだいとは比較できないほどの質でしたが、それでも売れる時代でもあったんです。
しかしそのままではいけないと考え、三重県海水養魚協議会で意欲のある生産者らが集まり、これまでの課題の改善と付加価値を向上するための組織「伊勢まだい生産者部会」を設立。定期的に生産者会議を開催しています。その場では、品質向上などについて協議をし、臭みがなく脂分も少ないさっぱりとした味わい、かつ安定した供給を目標にした「伊勢まだい」のブランド化に継続して取り組んでいます。

ただ自分たちだけで理想の「伊勢まだい」を育て上げることは難しいので、三重県の水産試験場の協力のもとエサ作りから研究。最良のまだいを提供するため、地元で採れるひじき等の海藻、かんきつ類、伊勢茶葉などの粉末をエサに約2%添加して与えています。他にもエサのあげ方を工夫するなど、研究を重ねた結果、養殖特有の臭みが少なく、脂分も抑えられたさっぱりとした味を実現することができました。生産数も、現在は年間約40万尾ほどを安定して供給できる体制を作り上げています。

西村さんおすすめの
伊勢まだいの食べ方

皮付きの「伊勢まだい」は、皮をバーナーであぶって、たたきのようにするのがおすすめ。少しあぶることで、皮目と身の間に旨みが出ます。

あとは三重県の郷土料理である、てこね寿司も簡単で華やかなひと品になります。ちらし寿司の一種で、カツオの漬けを使うことが多いのですが、伊勢まだいで作ってもおいしいですよ。

父が築き上げたまだいを、
さらにおいしくしたい

大学卒業後、築地市場で主に冷凍エビを扱っている会社に就職しました。約7年従事しましたが、その間は家業を継ぐ気もなく、永久就職すら考えていました(笑)。跡を継いだきっかけは、父の会社の人手不足ですね。せっかく父が立ち上げた会社や、幼い頃より食べていたまだいを無くしたくない、という想いが心のどこかにずっとあったんだと思います。

時々、出荷できない「伊勢まだい」をみんなで試食するんです。まだまだ道半ばではあるものの、「あぁ、ここまでおいしくできているんだなぁ」と、みんなの努力を実感します。

みなさまへメッセージ

コロナの影響で、一時はどうしようかと思いましたが、みなさんが「伊勢まだい」に出会い、購入してくれることで、私たち生産者はとても助けられました。その感謝の気持ちを忘れず、もっともっとおいしい「伊勢まだい」を育てていきます!引き続き、食べて応援していただけたらうれしいです。

生産者情報

商品名:伊勢まだい
生産地:三重県度会郡大紀町錦
生産者:三重県海水養魚協議会・伊勢まだい生産者部会
部会長 西村宗伯(にしむらむねのり)さん