来てくれた方を笑顔にしたい。
至極の目利きで水産物を提供する
豊洲の三清商店

生産者インタビュー

お客様はもちろん、取り扱う魚介たちにも真摯に向き合う。
「ホスピタリティあふれる仲卸」をモットーにしている、三清商店の清水さんにお話を伺いました。

東京都中央卸売豊洲市場内 | 株式会社 三清商店 営業部 部長
清水将登(しみずまさと)さん

取り扱い商品:鮮魚・貝類

海外の影響に引きずられるように
国内も低迷

私たちは、鮮魚や貝類を取り扱う仲卸として、輸出・国内の量販店や大手居酒屋・豊洲へ買い出しに来るお客様の三本の柱で成り立っています。海外事業は香港を中心に展開しているのですが、4月にはコロナの影響が数字に表れはじめました。香港では昨年にデモがあったこともあり、断続して売り上げに影響が出ている状況だったので、ダメ押しされた感じです。

それに続き、4月から5月にかけて、国内の需要も減りました。外出自粛の制限がかかり、多くの飲食店などの店舗が休業したためです。現在は休業を明けているところが多いですが、お店へ足を運ぶお客様が少なくなったからか、売り上げがかなり減少しています。しかし、近所のスーパーなどへ買い物に行く回数は増えたようでした。またインターネットでの販売も急激に伸びており、みなさんが自宅で新鮮な魚介類を食べていただいていることをうれしく思っています。海外へ発送する予定の食材を国内に補填し、おかげさまで売り上げは少しずつ回復してきましたが、それでも昨年と比べると落ちており、不安は尽きない日々です。

買ってきた魚の価値を、
自分で決められる楽しさ

私たちは有名百貨店にも卸しています。そのため、産地や魚の良し悪しをはじめ、魚を素手で触らないなどの衛生管理を含めた販売基準などをしっかりと見ていただいた上でお取り引きしています。うちの社長のこだわりは、「百貨店へいらっしゃるお客様が魚を見て、納得して買っていくレベル」の魚が基準です。万が一、卸した荷の中に不手際があり、その商品がお客様のところへ行ってしまった場合、販売店への信頼が失われてしまいますよね。そうすると、当然うちも責任を取らないといけない。そうならないように、毎回身を引き締めながら出荷しています。

しかし、楽しい部分もあります。自分の目で見て仕入れた魚を、その魚の価値に合わせて値付けできること。この魚は身が多く脂が乗っていそうとか、これは痩せているとか、商品になる魚たちをしっかりと目利きして販売しなければならない。それが、自分の腕を試されている瞬間であり、この仕事の醍醐味でもあります。自分がこれぞと思ったアジを見て、「このアジが一番良さそうだねぇ」とお客様に言っていただけると、想いが伝わったなと感じすごくうれしく、サービスしたくなります(笑)。

清水さんのおすすめの食べ方

ツブ貝や赤貝のように刺身で香りや食感を楽しむ貝も好きですが、少し火を通すことで甘味や風味が格段に増すホッキ貝やホタテ貝が個人的におすすめです。その中でも特に、平貝の磯部焼きは大好きなんです。少し厚めにスライスした貝に、醤油とみりんを2:1の割合で作ったタレを塗りながら、表面がキツネ色になる程度に焼き、七味唐辛子を少々かけて焼き海苔に挟んで食べるのが絶品です。中まで火が通ってしまうと、旨みに欠けるので焼き過ぎないことがポイントで、ホタテも同様に磯部焼きにするとおいしいです。
平貝やホタテ貝は柱の繊維が縦に並んでいるので、繊維に沿って切ったほうがおいしくなります。縦切りと横切りで食べ比べをしてみてもおもしろいかもしれません。

紆余曲折あって出会った、仲卸の仕事

学生のころ、私はプロのサッカー選手になりたくて。高校の卒業を待てず、2年の時に中退して、ブラジルへ渡りました。リオ・デ・ジャネイロには2年半ほど滞在してプロを目指しましたが、ケガで断念。ほどなく帰国した後、高卒の資格を取るために改めて就学し、卒業しました。初就職したパチンコ屋さんでは、マネージャーにもなり新規店舗の立ち上げに携わりましたが、いろいろと大変で。あるとき、心がポキッと折れました。そんなタイミングで知人の紹介もあり、当時は築地市場にあった、淡水系のうなぎやスッポンを扱うお店に転職しました。そこで7年ほどお世話になり、基礎を身につけた後、現在の三清商店にお世話になっています。まさか自分が魚を扱う仕事をすると思ってもみなかったですが、今はこの業界を盛り上げたいという、強い使命感を持って携わっていますね。

みなさまへメッセージ

コロナの影響でどの業界の人たちも苦しい中、みんながある程度前向きな気持ちをもっていないと、世は好転しないと思っています。困難な状況は続きますが、うちの社長はつねづね、「市場に来ていただいた方を笑顔にして帰ってもらうこと。市場の中のテーマパークになりなさい」と言っているんです。それは一般のお客様に対しても、もちろんそう。市場へお越しいただけたら、とびきりの魚介類とおもてなしをしますので、ぜひ食べて応援してもらえたらうれしいです。

生産者情報

商品名:鮮魚・貝類
所在地:東京都中央卸売豊洲市場
担当者:株式会社 三清商店 営業部 部長 
清水将登(しみずまさと)さん