安心して、食べていただけるように。
高い品質管理で、幌加内のそばを広めたい!

生産者インタビュー

コロナ禍を受けて、出荷できないそばの実の在庫がどっさり。そんなピンチを逆手にとり、積極的に企業に働きかけて商品のコラボ展開を進める田丸利博さんにお話を伺いました。

北海道雨竜郡幌加内町 | JAきたそらち幌加内地区代表理事
田丸利博(たまるとしひろ)さん

取り扱い商品:玄そば

経験したことない状況が
目の前で起きている

そば作りは6月上旬に種をまき、9月下旬に収穫する短期作物です。寒暖差の激しい北海道の気候にはぴったりで、幌加内はそばの作付け面積および生産量は日本一。ここでは原料のそばの実を生産していて、通常の出荷は暖かくなる3〜4月にかけて多くなります。新型コロナウイルスの影響は5月の連休あたりから出始めました。私たちの出荷先は東京だけで8割以上を占めますが、オーダー自体がピタっと止まりました。長引く飲食店の休業により、出荷先の製粉屋さんから、そば屋さんへ卸すことができないためです。こんなに、そばを出荷できない状態は初めて。緊急事態宣言の解除後も飲食店の時短営業が続いていたので、すぐに自分たちに何ができるかを話し合いました。

うちではそばの皮をむく、「むき実」をしてから出荷します。むき実をして、うっすらと緑がかったそばを「青実」といいますが、それが新そばの状態。時間が経つと赤茶っぽく変色するので、保存期間は最大でも1年ほど。時間があるように見えますが、すでに売り上げが3割減っている現状を踏まえると、今後も既存の販売先だけでは原料を捌くことはできません。

そこで、私は、このような状況を“販路を増やすチャンス”と捉えました。実際に、セブン‐イレブン・ジャパンさんやゆで太郎さんに直接電話をして熱意を伝え、足を運んでプレゼンしました。セブン‐イレブンさんは積極的に社会貢献をされている企業、ゆで太郎さんは私の熱意に応えて即決と、2社とも「お互い手を取り合うべき」と快諾していただき、#元気いただきますプロジェクトに参加して、幌加内産玄そばを使った取り組みが始まりました。生産者を大事にしたいという想いがうれしかったですし、迅速な対応をしていただいて本当に助かりました。

こだわり、楽しいこと、難しいこと

そばは非常に弱い作物。近年、頻発するゲリラ豪雨では、収穫前に芽が流されたり潰されてしまうこともあるため、水対策にも気を使います。それでも、種をまいてから約2ヶ月後には広大な大地一面に白い花が咲き、その姿には本当に癒やされます。毎年、観光客の方も多く見学に訪れるほどです。

また、私が代表理事を務めてからですが、むき実をしてから供給できる出荷工場を作りました。製粉場へそのまま送ると皮が産業廃棄物になり、不要なコストがかかってしまいます。そこで、コストはかかりますが、私たちもむき実をして発送できるようにしました。その結果、安定した原料の発送と、輸送費のコストダウンに繋げることができています。

ここで作る原料は大手企業へ納入しているので、味はもちろん、品質管理と安定供給を続けることが一番大事。大手企業への納入実績が増えることで、他の企業さんにも、安心して使っていただけるかと思います。

田丸さんおすすめの食べ方

私は原料を作る専門なので、そば打ちはプロにお任せして、おいしいそばを食べるのが好きなんです。玄そばは釜の大きさ、お湯の量、麺の太さによっても変わってきますが、2、3分茹でて冷たい水で締めます。キュッと締まってコシになり、歯ごたえがよくなります。そばは挽きたて、打ちたて、ゆでたての「三たて」が大事といますが、ここでは“獲れたて”も加わるので、完璧な玄そばを食べられます。

温かいそばの場合、トッピングに長ねぎや天かすを乗せることが多いかなと思います。私が好きなのは、北海道の玉ねぎのみじん切りをたっぷり入れて食べること。玉ねぎのシャキシャキ食感も良いですし、野菜の甘みが溶け出したスープまで飲み干せます。本当に好きすぎて、みじん切りした玉ねぎを、一度お店に持ち込んで食べたこともあります(笑)。

そばのすべてを把握する

実家が農家なのですが、高校卒業後にすぐには継がず、農協の臨時職員として就職しました。それから、そばの乾燥調整工場の工場長を経て、役員になったのが11年前。その後、このエリアの代表理事を8年務めています。そばの良し悪し、乾燥から出荷するまでのすべてを把握しています。

みなさまへメッセージ

道内では知れ渡っていますが、正直幌加内のそばの認知度はまだまだ低いと思っています。しかし、セブン-イレブンさんやゆで太郎さんで、北海道産玄そばを使用したメニューが取り扱われるようになりましたので、ぜひお店まで足を運び、食べて応援してもらえたらうれしいです。

生産者情報

商品名:玄そば
生産地:北海道雨竜郡幌加内町
生産者:JAきたそらち幌加内地区代表理事・
田丸利博(たまるとしひろ)さん