澄んだ湧水がなによりのこだわり。
自然に恵まれて育つ
静岡の水わさび。

生産者インタビュー

400年以上の歴史を誇る日本固有の植物「わさび」を、澄み切った豊富な天然水で育てる静岡県伊豆市の塩谷吉栄さんにお話を伺いました。

静岡県伊豆市 | 静岡県山葵組合連合会
会長 塩谷吉栄(しおやきちえ)さん

取り扱い商品:わさび

最盛期に収穫できず、
市場相場も下落

中伊豆・湯ヶ島地区のわさびは、1年を通して出荷している地域なんです。しかし緊急事態宣言が発出された4月から5月にかけては、ほとんどのわさび農家が出荷できない状態になってしまいました。こんなことは初めての経験です。この地域は飲食店向けに栽培しているので、みなさんの外出自粛の影響を大きく受けて、出荷数も落ち込みました。6月からは多少上向きになり、8月のお盆需要までには回復の兆しも見えましたが、第二波の影響で、再度、出荷量が減ってしまいました。相場も下落しているので厳しい状況ですね。

おまけに今年は、7月まで長雨が続き、8月に入ったら一転して猛暑になると、天候不順でしたよね。わさびは暑さと日差しに弱く、ダメージを受けていた上に出荷調整のため最適な収穫ができず…。時期を逃したわさびはどんどん腐ってダメになってしまいました。

この湧水だからこそ、
わさびをおいしく育てられる

私たちのいる中伊豆・湯ヶ島地区は、天城の山々からの豊富でキレイな湧水に支えられています。世界農業遺産に認定された「静岡水わさびの伝統栽培」の畳石(たたみいし)式*のわさび沢は、水温も1年を通して10~11度と冷たく、わさびを育てる環境として優れているんです。そのため、20cm程度の大きめのサイズに成長させて収穫しています。収穫時期は品種によっても変わりますが、私が栽培している「いらか」という、辛みが強くて味もいい品種は、おおよそ1年2ヶ月から4ヶ月以内に収穫します。

わさび栽培で難しいのは、ここ何年も続いている酷暑。日差しや暑さに弱いわさびは、夏期には遮光のためにネットをかけますが、木漏れ日だけでもダメになってしまうほど繊細なんです。しかし、あまりに遮光をしすぎても生育にも影響が出てしまう…。心地よくわさびが生育してもらうための環境を整えるのが難しくなっていますね。

*地面の下層から大中小の石を順に積み上げ、表層部に砂礫を引いた複層構造。豊富な湧水をかけ流し、不純物のろ過、水温の安定、栄養分や酸素の供給を同時に行える栽培方法。

塩谷さんおすすめの
わさびの食べ方

昔からわさびは、寿司や刺身などの味を引き立てるだけでなく、殺菌効果を得るために使用されてきましたが、今はステーキや焼肉、うなぎ、わさび丼なども人気です。焼酎のお湯割りにわさびを入れると、二日酔いにならないと言って飲んでいる人もいますね(笑)。チューブのわさびは便利ですが、鮫皮タイプのおろし金で擦った、おろしたてのわさびのおいしさは格別です。

コロナ禍の多忙な時期に
会長に就任

我が家は明治23年頃の高祖父の代から、現組合の前身となる生産者組合の立ち上げに携わっているわさび農家。今でこそ古い考え方といわれそうですが、当時はまだ田舎の長男は実家の跡を継ぐのが当たり前と思われた時代。他に行く道はなく、大学を卒業した22歳で実家に戻り、そのままこの仕事に就きました。昭和54年より従事しているので約40年になりますね。
前任の会長が病に伏したため、会長選を経て今春から会長職に就きました。しかし、組合としても、大人数では集まれませんし、全国から人も呼べないため品評会も開催中止になってしまいました。とても悔しいですが、仲間の組合員と情報を交換しながら、この困難に少しずつでも立ち向かっています。

みなさまへメッセージ

私が育てたわさびは、一部ネット販売も行なっていますが、基本的には飲食店向けになります。直接お届けできないのが残念ですが、ぜひお寿司屋さんやお蕎麦屋さんなどに足を運び、わさびにも注目して食べてみてください。

生産者情報

商品名:わさび
生産地:静岡県伊豆市
生産者:静岡県山葵組合連合会
会長 塩谷吉栄(しおやきちえ)さん